(出典 ハーツマリン)
2019年1月号のBasserで組まれた特集「全米ツアー 最前線」によると、新興団体であるMLF(メジャー・リーグ・フィッシング)が新ツアー「Bass Pro Tour (BPT)」の創設を9月11日に電撃発表しました。
これにより今まで多くのトップ選手が所属していたB.A.S.SエリートシリーズとFLWツアーから、ほとんどのトップ選手がBPTに流出するという前代未聞の現象が起こっています。
BPTに参加を表明しているのは、有名選手ばかり80名。誰もが名前を知っているほとんどの選手がBPTに移ることになります。その中には現エリート選手の大森貴洋と深江真一も名を連ねています。
なぜこのような現象が起こったのか?
まずMLFは対象選手80数名に招待状を送付。招待された選手はいずれも現エリートかレジェンド、そして将来有望な人気のある若手選手ばかり。
そして数日後、選手ミーティングが行われ、賞金システムや詳細を発表。賞金の総額はB.A.S.SとFLWを遙かに凌駕しています。
これはB.A.S.Sに対するクーデターともとれるものですが、招待された選手たちは「YES」の回答をします。これにより歴史上まれにみる選手の大移動が現実となりました。
アメリカツアーに蔓延していた闇
(出典 ハーツマリン)
トーナメントに参加する為に支払うエントリーフィー。
これは当たり前に発生するものという思い込みがあったのですが、MLFはこのエントリーフィーを完全無料化すると発表しました。
これまで覇権を握っていたB.A.S.Sはエントリーフィーを選手から取ることで、賞金を捻出。選手たちは賞金が出ない大会さえもエントリーフィーを課せられていました。(ポイントを得る為に仕方がなく参加)。
B.A.S.Sサイドは自分たちの腹は痛めず、選手達からは一方的にむしり取るという手法を長年繰り返してきました。
このシステムに従わざるを得ない選手達の間で、マグマのようにフラストレーションが溜まっていったのは想像に難くないと思います。
そして、新サーキットBPTの誕生で、一気にマグマが噴出することになったのです。
選手達が完全ノーエントリーフィー・賞金額の増額が約束されたMLF主催のBPTを選択したのは、自然の流れだと言えます。
バックには7つのプロスポーツチームを所有する巨大組織
(出典 AFP)
さて、このような大々的な地殻変動をやってのけるMLFのバックにはどのような組織がついているのでしょうか。
それはスタン・クロンケという人物が率いる「クロンケ・スポーツ&エンターテインメント社」。
英国サッカーチーム「アーセナル」、NFLの「ロサンゼルス・ラムズ」、NBAの「テンバーナゲッツ」、NHLの「コロラド・アバランチ」など計7つのプロスポーツのオーナーとなっています。
この71歳の実業家クロンケ氏の資産は約9600億円と言われ、全世界長者番付で183番目らしいです。(金額が大きすぎて、もう訳の分からない金持ちっているんですねw)
要するに超超金持ちがバックについたMLFは、B.A.S.Sがどうあがいても太刀打ち出来ない相手ということになり、今までB.A.S.Sが築き上げてきたトップカテゴリーとしての価値感が、そのままBPTに移行すると考えて良さそうです。
B.A.A.S.の今後
しかしB.A.S.Sはこれからどうなっていくんですかね。今年で誕生50周年という節目の年だったというのに。組織自体は存続していくようですが、経営陣は一掃されるかもしれません。また、50年の歴史は輝かしいものであり、クロンケ氏の動向が気になるところです。
いずれにしても、選手達が思い切りパフォーマンスを発揮できる舞台が用意されるということには、ひとまず良かったと言えるのかなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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