シマノから販売されている飛びとトラブルの少なさを両立させたDCブレーキ搭載のDCリール。遠心ブレーキやマグネットブレーキよりも繊細にスプールの回転を制御してくれるため、あらゆる環境下で快適性を求めるアングラーに愛用者が多いリールとなっています。
そこでこの記事では、DCリールのおすすめをご紹介。DCリールに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
DCブレーキとは
DCブレーキとは、シマノのベイトリールに搭載されているシマノ独自のブレーキシステムのこと。DCは「デジタルコントロール」の略で、リール内部のコンピューターがスプールの回転を自動制御してくれるシステムです。
遠心ブレーキやマグネットブレーキとは異なり、キャストから着水するまで最適なブレーキをかけ続けてくれるため、バックラッシュを防ぎつつロングキャストを可能にした革命的なシステムとなっており、キャスト時に発生する「キーン」という独特のサウンドも特徴のひとつとなっています。
DCブレーキの仕組み
DCブレーキの仕組みは、スプールの中心部に配置されたコイルの内側をマグネットが搭載されたスプールが回転することで電流が発生し、その電流を利用したセンサーがスプールの回転数を読み取り、コイルとスプール間の抵抗値を適切な回転数に自動制御してくれるシステムです。
「DC(デジタルコントロール)ブレーキ」は、ブレーキ力の強弱をマイコンで意図的に制御。図中赤線のブレーキカーブのように、スプール回転が急上昇するリリース直後はほぼノーブレーキで、回転がピークに達したところでブレーキ力が急激に立ち上がり、その後は必要最小限のブレーキ力を適宜加える…といったコントロールを自動的に行い、飛距離を大幅に向上させることができます。また、向かい風による失速など、スプール回転数にイレギュラーな変化を検知した場合には、瞬間的にブレーキ力を強めてバックラッシュを回避。さらに「最後のひと伸び」を確保するためにブレーキ力を断続的に緩めたりと、従来のシステムでは考えられない高度な制御を自動で行う、最先端のブレーキシステムです。
シマノHP 15メタニウムDCページより引用
DCリールのメリット・デメリット
■メリット
- 向かい風でもバックラッシュが少なく飛距離が出る
- ブレーキ設定が容易
- DC音が心地よい(個人差アリ)
ダイヤル設定によって、ブレーキが自動制御されるためキャストから着水までの突発的な向かい風に対しても自動的にブレーキを強めてバックラッシュを防いでくれるのは、他のブレーキシステムにはないメリット。
設定が決まっていれば、軽い力でもよく飛び、ノーサミングでも快適に釣りが楽しめます。また、スキッピングのようなライン放出スピードの変化が激しいキャストにも◎。
独特なDC音は手元が見えにくいマズメ時でもDC音により、キャスト状況が把握できるメリットも。好みによりますが「キーン」というDC音も気分を上げてくれる要素となっています。
さまざまな環境下でトラブルを減らし、ストレスフリーで長時間釣りに集中できるのがDCリールの魅力です。
■デメリット
- メンテナンスしにくい
- 故障時はDCユニット交換になる
- 自重が重い
DCリールは内部にDCユニットが組み込まれているので、構造が複雑で重量も重くなります。オイルやグリスを挿したりのメンテナンスは慣れが必要。
またDCユニットは完全防水化されているため浸水による故障の心配はありませんが、万が一DCが故障してしまうと、DCユニットごと交換する必要があり修理代が高額になる場合もあります。
DCブレーキの種類
DCブレーキの種類は現在3タイプあり、機種によって搭載されているDCブレーキが異なります。
■I-DC4
4段階の外部ダイヤルで調節できるため、ブレーキ設定がしやすいモデル。かつてはフラッグシップモデルに搭載されていましたが、現在はエントリーモデルに採用されています。
■I-DC5
5段階の外部ダイヤルと内部ダイヤルの3モードで調節可能なモデル。20カルカッタコンクエストDCや21スコーピオンDC、15メタニウムDCなど、主力機種に積極的に採用されています。
■4×8DC
8段階の外部ダイヤルと内部の4モードで調節可能なモデルです。21アンタレスDCや18アンタレスDCMDなどのフラッグシップモデルに採用されており、DCブレーキシステムの最高峰となっています。
DCリールのおすすめ
21 アンタレスDC
DCブレーキ:4×8DC
シマノが誇る最高峰のベイトリール「アンタレス」に最新の4×8DCブレーキが搭載されたモデル。従来モデルをはるかに凌ぐ高速CPUにより、ブレーキ力を綿密にコントロールしてくれます。
ルアーの空気抵抗や突発的な向かい風による失速を素早く感知して、ブレーキ力を自在に細やかに管理。フルキャストから軽めのキャストまで安定したパフォーマンスを発揮してくれるこの上ない使用感を提供してくれるDCリールです。
23 アンタレスDCMD
DCブレーキ:4×8DC MD TUNE
2023年、ついにモデルチェンジを果たした「アンタレスDCMD」。遠投性能、ブレーキ性能、巻き心地など、従来モデルよりも確実に進化を遂げています。
また、XGだけでなくHGも新たにラインナップ。決して安くはないですがシマノの最新テクノロジーがすべて入っており、最高峰のベイトリールを体感したい方におすすめです。
18 アンタレスDCMD XG
DCブレーキ:4×8DC
アンタレスDCよりも大口径スプールを搭載した18アンタレスDCMD。23モデルがリリースされていますが、現在も選択肢の一つとしてバリバリの性能を誇ります。
DCブレーキシステムはナイロン・フロロ・PEモードに加えて、XBモードと呼ばれる、ビッグベイトモードと超遠投モードに対応したブレーキが搭載されてるのもポイントです。
20 エクスセンスDC SS
DCブレーキ:I-DC4
PEラインの使用を前提とした、シーバス用のスペシャルセッティングを施したI-DC4エクスセンスチューンモデルです。ベイトスタイルのシーバスゲームにピッタリ。
DCブレーキはシンプルな4段階のダイヤル操作のみで、PE・フロロでの幅広いウェイト、タイプのルアーに対応可能です。HAGANEボディやマイクロモジュールギア、X-SHIPなど先進のテクノロジーが搭載されています。
22 エクスセンスDC XG
DCブレーキ:4×8DC
シマノ最高峰「アンタレス」ゆずりのロングキャスト性能はもちろん、細部までソルトルアーゲームに最適化されたキング・オブ・ソルトなDCリールです。
DCブレーキシステムは抜群の飛距離とトラブルレスを実現した「NEW4×8DCエクスセンスチューン」。17エクスセンスDCから更に最大ドラグ力や糸巻量が増え、よりバーサタイルになっており、ビッグベイトシーバスの最適解と言えるDCリールに仕上がっています。
22 SLX DC XT
DCブレーキ:I-DC5
エントリーモデルながらカルカッタコンクエストDCで評価の高い「I-DC5
」を搭載したハイコスパDCリールです。
33mmスプール径により、軽量ルアーからビッグベイトまで幅広くカバーするバーサタイル性が魅力。比較的手にしやすい価格ながら、最新のマグナムライトスプールⅢやマイクロモジュールも搭載しているDC機となっています。
20 SLX DC
DCブレーキ:I-DC4
販売価格2万円前後で手に入るDCリールのエントリーモデルの決定版。クラスを超えた飛距離と対バックラッシュ性能を実現しています。
4段階の容易なブレーキセッティングで、軽量ミノーから中量級ルアー、ビッグベイトまでカバーするバーサタイル性も魅力。低価格で気軽にDCリールを所有したい方におすすめです。
23 SLX DC
DCブレーキ:I-DC4
2020年に日本市場に投入された「SLX DC」が2023年春にモデルチェンジ!クラス初となる「MGLスプールⅢ」を搭載、「I–DC4」もMGLスプールⅢ仕様にアップデートされています。もはや入門モデルと思えない領域に達したエントリークラスDC機です。
21 スコーピオンDC
DCブレーキ:I-DC5
王道のスプール径34mm搭載で、16lbのモノフィララインが100m巻けるラインキャパの多さが魅力のDCリールです。
I-DC5ブレーキは内部ダイヤルにPE・N・F、外部ダイヤルに1・2・3・4・Wのモードが用意されており、バッチリ設定が決まっていればノーサミングキャストも可能。ソルト対応なのもうれしいポイントです。
20 カルカッタコンクエストDC 200HG
DCブレーキ:I-DC5
丸形リールの最高峰であるカルカッタコンクエストのDCバーション。待望のハイギアの追加で、巻物系ルアーをストレスなくキャストしたいアングラーに人気です。
この200HGはギア比6.2で最大巻上長は74cm。NEWローラークラッチによる回転抵抗の低減で、巻上げパワーにさらに磨きがかかっています。
20 カルカッタコンクエストDC 100HG
DCブレーキ:I-DC5
最も使用頻度の高い3/8oz前後のルアーを快適に使えるDCリール。HGの追加により、さらにバーサタイルに使用できる丸形リールとなっています。
100HGのギア比は6.8で、最大巻上長は70cm。ハイギアと言えど他のハイギアリールと比べてもギア比は高くないため、巻き上げトルクの強さと相まって幅広い巻きの釣りに対応してくれるDCリールです。
24 メタニウムDC
DCブレーキ:NEW I-DC5
2024年に9年ぶりのフルモデルチェンジを果たした24メタニウムDC。バーサタイルの王道である34mm径のMGLスプールⅢ搭載、さらにNEW I-DC5で超高精度にブレーキを制御します。
ブレーキダイヤルと共にブレーキモードも外側から調整可能と画期的進化を遂げ、DC好きは無視できない機種となっています。
15 メタニウムDC
DCブレーキ:I-DC5
2015年の登場ながら現在でも愛用者が多い”15メタニウムDC”。名作リールとして評価が高く「軽量且つ、よく飛ぶ」DCリールとして知られています。
15メタニウムDCは海水OKとなっており、バス釣りのほか、ソルトゲームやベイトシーバスに対応できるのも魅力。中量級ルアーの使用頻度が多いアングラーなら購入候補に上げたいDCリールです。
DCリールでカッ飛ばそう!
あらゆる状況下でトラブルレスに釣りをしたい方にはとにかくおすすめのDCリール。かつてはハイエンドモデルでないと体験できなかったシステムですが、最近ではエントリーモデルやミドルモデルにも搭載されるようになっています。興味のある方は、ぜひDCブレーキの快適性を試してみてください。
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