巻物をがっつりできるロッドが欲しいけど、状況によってはワームや軽めのジグも使いたい…。一本でどちらも対応できるロッドがあれば、タックルが制限されるおかっぱりではかなりの戦力になります。
いわゆるバーサタイルロッドと呼ばれるものですが、この記事では一般的なバーサタイルロッドではなく、特徴的なブランクスを持つ少し尖ったバーサタイルロッドをご紹介。
普通のバーサタイルロッドに飽きてしまった方や、ブランクスの特性を味わいながら釣りをしたい方は、ぜひチェックしてみてください。
尖ったバーサタイルロッドとは
ベーシックなバーサタイルロッドは、①適合ルアーキャパシティが普通、②ティップがチューブラー(中空構造)というのが一般的。
例えばバーサタイルロッドの王道といえば、雑誌の人気投票でも常に上位にランクインする「シマノ エクスプライド 1610M」ですが、適合ルアーウェイトはMパワー(7〜21g)、ティップはチューブラーといった具合です。
同メーカーの異なるシリーズはもちろん、他のメーカーでも同じような設定のモデルが多数ラインナップされています。
一方、尖ったバーサタイルロッドと位置づけたモデルは、上記の①②の内、いずれかが当てはまらないモデルです。
言い換えると、
というどちらかの特徴を持つ良い意味でクセのあるバーサタイルロッドと言えます。ベーシックなモデルが好きな人には敬遠されますが、ハマる人には手放せないアイテムになる可能性を秘めているのが尖りのあるバーサタイルロッドの魅力。
この記事では、そんな個性を持ったバーサタイルロッドをご紹介します。
尖りのあるバーサタイルロッドのおすすめ5選
シマノ エクスプライド 1610M-S
全長 | 6ft10in |
LINE | 7-14lb |
LURE | 1/4-1/2oz(7g-14g) |
◾ソリッドティップ採用のMクラスバーサタイルロッド
ロクテンMというシマノの王道番手にソリッドティップを搭載したモデル。もう一つの王道番手166Mを2022年モデルのラインナップから外してまで投入されたシマノ拘りのモデルです。
ソリッドの命である喰い込み性能と繊細な曲がりをスポイルすることなく、「ハイパワーXソリッド」によりブレやパワーロスを制御し、キャスト精度や操作性、感度を飛躍的に向上させています。
Mアクションのかなり硬めなソリッドながら、キュッとティップから綺麗に入るのが特徴。
ファストムービングルアーなら、チューブラーモデルでは獲り切れなかったついばむようなショートバイトも絡め獲り、ワーミングではソリッド特有の繊細なボトムタッチでこれまで見逃していた細かな地形変化も察知します。
ライトなワーミングや軽めのラバージグはもちろん、クランクベイトやジャークベイトなどの巻物にも十分使えるというのも硬めのソリッドの魅力です。
硬めのソリッドのおかげで1610Mよりも下限側の幅が広く、巻物にも対応する汎用性の高さを持ちつつも、ソフトベイトを中心とした釣りで喰い込みの良さを同時に両立したロッドになっています。
1610Mとはかなり性格の違う1610M-Sですが、こちらの方が好みだというアングラーも多いかも知れません。
⬇12:34秒あたりから「1610M-S」が解説されています。
デジーノ レーベン トルクチューン DLT-C611M/HRST1S(初代エムスラ)
全長 | 6ft11in |
LURE | 1/8-2.5oz(3.5g-70g) |
※2022年にNEWエムスラが受注開始されています。適合ルアーは2〜60g(2oz強)。
◾スモラバ〜ビッグベイトをフルキャストできる究極のバーサタイルロッド
スモラバ〜ビッグベイトまで扱えるという汎用性の高さが魅力のバーサタイルロッドです。スペックのM/H(MスラッシュH)から通称エムスラと呼ばれています。
エムスラの特徴はソリッドティップが採用されていることと、負荷に応じて曲がるマイルド多段テーパーが採用されている点。
これによりベイトフィネスで扱うような軽量リグでもキャスト〜操作までしっかり行うことができ、同じタックルセッティングでそのまま2ozクラスのビッグベイトをフルキャストできるというルアーキャパシティがとても広い一本です。
また、ブランクスの特性から巻物全般におすすめで、クランクベイトやスピナーベイトから羽根モノやビッグベイトまでトレブルフック、シングルフック問わずオールラウンドに活躍してくれます。
Mクラスソリッドティップは感度も良好なため、絶妙なタッチ感を要求されるウィードに絡めてほぐすプラグのワーミングのような釣りにも最適。魚を掛けた後はHクラスの強靭なバットで主導権を与えず安心して取り込めます。
重めのボトムフィシング以外なら、ほぼ何でもできるので、タックルが制限されるオカッパリでは最強の一本となるでしょう。
⬇「初代エムスラ」と思われるロッドの曲がりが確認できるweeblle・尾方さんの動画です。
販売スケジュールはデジーノ代表・神谷勇紀さんのインスタをcheck
エバーグリーン フェイズ PCSC-66ML+ シューティンスター
全長 | 6ft6in |
LINE | 6-16lb |
LURE | 1/8~1・1/2oz(3.5-42g) |
◾テクニカル系バーサタイル
MLクラスとしては規格外の重量級ルアーが扱える操作系バーサタイルロッド。操作のための「硬さ」とキャストのための「しなやかさ」を両立しています。その秘密は低中弾性カーボンによる細身かつ肉厚なシャフトにあり、負荷が掛かるとパラボリックに曲がりこむのが特徴。
クランクベイトやバイブレーション、ブレーデッドジグなどの巻きの釣りにピッタリなシャフトを持っており、肉厚シャフトの働きでロッドに乗せにくい軽量リグでもテイクバック時に自重でブランクスをしならせて気持ちよくキャスト可能です。
さらに、しなやかながら芯のあるティップのおかげでウィードに半スタックした状態をキープしたまま誘い続けることも可能で、意図的に外してリアクションで誘う釣りにも◎。魚を掛けた後はブランクス全体がトルクフルに曲がり、柔軟に追従しながら大型の個体を浮かせることができます。
長すぎない6フィート6インチのレングスに特徴的な形状のエンドグリップを採用したセパレート・ショートグリップの組み合わせは、ブランクスの特性と相まってネコリグや高比重ワームのボトムジャーク、トップウォーターやジャークベイトのような操作系の釣りにも最適。
ハードベイト、ソフトベイト問わず、フィネス系ルアーを扱えるしなやかさとテクニカルな操作が可能な硬さを絶妙なバランスで実現しているバーサタイルロッドとなっています。
⬇シューティンスターの特徴を詳しく解説しています。
ハイドアップ MACCA レッドシグネイチャー HUMRC-611MHST/RS
全長 | 6ft11in |
LINE | 10-16lb |
LURE | 1/8-1oz |
◾ソリッドティップ搭載の琵琶湖バーサタイルモデル
ハイドアップ・マッカ レッドシグネイチャーモデルの中でも、琵琶湖ガイド・たまらんばい永野さんのこだわりが最も詰まった一本。
デジーノブランクス採用でソリッドティップ搭載モデルになっています。繊細なソリッドティップは喰い込みの良さや投げやすさもありながら、ウィードなどモノを外す時は金属的に切れるという「曲がり」と「張り」のバランスが絶妙なセッティングになっているのが最大の特徴です。
チューブラーでは通り過ぎてしまうような小さなボトムの変化も、ソリッドティップが見逃さずに拾って情報を手元に伝えてくれる感度の良さも魅力。
使用リグは、ヘビダン・クランク・スコーン・フリーリグ・ラバージグ・ジャークベイトと幅広いリグに対応し、たまらんばい永野的琵琶湖バーサタイルという位置づけになっています。
永野さん曰く「フッキングしたときに綺麗に曲がって止まる」ので、フッキングが抜群に気持ちの良いロッドに仕上がっているそう。
柔軟でありながら張りを併せ持つソリッドティップを体感したい方におすすめのモデルです。
⬇3:54秒くらいから「HUMRC-611MHST/RS」の特徴について解説されています。
トランスセンデンス プルクラ62B/73B
全長 | 6ft2in・7ft3in |
LINE | PE0.8号-PE3号 |
LURE | 1/8~1・1/2oz(5-28g) |
◾様々なシチュエーションに対応できるバーサタイルパックロッド
6フィート2インチから7フィート3インチにロッドの長さが可変するトランスシステム採用のバーサタイルロッド。遠征や自転車、公共機関を利用した釣行に便利なマルチピースロッドになっています。
ルアーキャパシティも広く1/8~1・1/2oz(5-28g)まで対応。MLクラスのソフトなティップ、Mクラスのベリー、そしてバットはH〜XHクラスのパワーが与えられているのが特徴で、軽量リグからビッグベイトまで幅広いルアーを扱える高い汎用性を備えており、既存のテーパーやパワーで表現することが難しい設計になっています。
高い復元力を持つ4軸高弾性カーボンは軽さ、強さ、曲がりを実現し、高弾性でありながらしっかり曲がるブランクスで、巻きモノや操作系ハードベイトでもティップとベリーがしっかり曲がりショートバイトも絡め取ります。
さらに、高弾性ブランクス特有の復元力のおかげで、曲がった状態から元に戻ろうとする強力な力が働くため、曲げた状態をキープするだけでオートマチックにビッグフィッシュを浮かせることができるのも魅力。
リールのハンドルを巻くだけでファイトできるため、ロッドの曲がりを楽しみながら楽に魚とやり取りできるロッドになっています。
新たな視点で楽しめる尖りのあるバーサタイルロッド
正直、初心者の方にはベーシックなモデルをおすすめしますが、一通りベーシックなロッドを経験してきたアングラーであれば、ちょっとクセのあるバーサタイルロッドという選択肢は、いつものバス釣りを新たな視点で楽しめる要素があります。ここに挙げたロッド以外にも尖ったモデルがリリースされているので、一度試してみるのもいいかもしれませんね。
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