愛くるしい見た目と一度聞いたら忘れない「トビキチ」というインパクトのあるネーミング。釣具屋さんで見たことはあるけど、「一体どんなルアーなの?」と気になっている方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、ボンバダの「トビキチ」のインプレや使い方について解説します。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
トビキチとは
プラスワンルアーの蒲田さんがハンドメイドで制作していたトビキチに、ボンバダの代表テルさんが惚れ込んでプラ化に成功したルアーです。
製品の安定性や記録級ビッグバスに備えるための太軸フックを搭載できる浮力を実現するためにボンバダがABS化。3年の歳月を費やし、量産型プラバージョンとして2017年にボンバダから発売されました。
トビキチの基本情報
サイズ | 160mm |
自重 | 49g |
タイプ | フローティング |
フックサイズ | フロント#4 センター#4 リア#6 |
価格 | 7,500円(税別本体価格) |
「陸っぱりのみんなにビッグバスを」
「元祖ボトムスイマー”トビキチ”」
プラスワン蒲田氏が13年前に考案したトビキチは、数あるビッグベイトの中でも当時唯一の存在として、ボトムとウィード攻略を主体とする特性を持っていました。特に琵琶湖においてウィード攻略は絶対に無視できない最重要課題です。
琵琶湖で育ったローカルベイトとして、ウィードガード、ボトムセンサー、フックガードという三つの機能がこのワイヤーアングルリップセクションに備えられており、このリップセクションの回避能力、多関節のボディアクション、フローティングテイルで、数々のランカーを仕留めてきました。
この釣果はローカルアングラーの中でたちまち話題に昇り、現在ではその流れを汲んだスローロールベイトが次々に量産されていきました。しかし、トビキチだけは性能維持のため、蒲田氏が静かにハンドメイドで生産を続けており、ファンの間でも入手困難に。あまりの釣果から完全にシークレットな存在になっていました。
「みんなにビッグバスを」
この想いから生まれたボンバダ✕トビキチ。
ABS素材、脱着式リップ【ウィードバンパーシステム(W.B.S)(特許出願中)】により更に性能向上し、飛距離、シーズナルパターンによる変幻自在の攻めが可能になりました。琵琶湖陸っぱりローカルベイトの真打ちともいうべき存在。記録級バスへのチャレンジがより現実的になります。
〜ボンバダHPより引用〜
箱を開封するとトビキチ本体とボンバダ製スクエアウエイト1枚が内包されています。
トビキチの特徴
- 脱着式のウィードバンパーシステム
- 多連結ボディ&フローティングテイル
- リップや頭部にウエイトを追加することによるアクション変化
トビキチ最大の特徴は、リップに備えられた着脱式ウィードバンパー(特許出願中)にあります。このウィードバンパーにより根掛かりが大幅に軽減されており、少々ウィードが絡んだとしてもルアーのアクションを妨げにくくなっています。
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トビキチの代表的な使い方2選
トビキチにはウエイト調整して使用する2つの使い方があります。ウィードバンパーとフローティングテールを持つトビキチにしかできない使い方になるので、ぜひ試してみてください。
温泉チューンで春のビッグベイトジグゲーム
特に春に威力を発揮するのが温泉チューンによるシャローゲーム(温泉チューンのやり方は下項で解説しています)。
アシ際やウッドカバー、リップラップ帯などで垂直立ちからのボトムバンプで使用します。見えバスに対して行うと効率が良いですがブラインドでも◎。1センチ刻みで動かすイメージでなるべく移動距離を抑えるといいでしょう。
超スローシンキングチューンで真冬のデッドスローゲーム
もうひとつ特大級が期待できる使い方が真冬のデッドスローゲーム。トビキチのリップ裏側にスクエアウエイトを貼り、サスペンドもしくは超スローシンキングに調整して使用します。リップが着底したときにボディが立って浮いているのが理想。
巻き方は、ラインは貼らずにトビキチを自然に漂わすイメージ。多連結のトビキチはわずかな水流でも動きますが、そのトビキチを動かさないように漂わすとデカバスが好むトビキチの無重力アクションが演出できます。
ボンバダ・テルさん曰く「トビキチのFORCEを感じ、ゼログラビティの感覚を楽しんで欲しい」とのこと。
トビキチのインプレ
まずはトビキチを温泉チューンのビッグベイトジグ仕様で使ってみました(より垂直立ちしやすくなるようにテールフックは外しています)。
ボンバダ製スクエアウエイトをリップに2枚、頭部に1枚、+12gのウエイトを追加しているので、総重量は約51gと2oz近い重量に。キビキビ操作したい場合はHパワー以上のロッドが必要だと感じました。
足元でチョンチョンしてみると、その場でヒラを打って三点倒立でアピールしてくれていい感じです。
根掛かり回避率ですが、ハードボトムや木の根っこ、アシ際などさまざまな場所でボトムバンピングしてみましたが、ハードボトムではほぼ根掛かりしませんでした。木の根っこは雑に操作するとやや危険な印象で、アシ際は相当気をつけないと根掛かりの危険性は高いです。
トレブルフックむき出しのビッグベイトなので当然といえば当然ですが、それでもウィードバンパーシステムによるスナッグレス性の高さは特筆すべきポイントとなっています。
次に超スローシンキングチューンのデッドスロー仕様で試し投げ。私のトビキチではスクエアウエイト1.5枚分でセッティング完了。リップが着底してもボディは浮いている無重力状態のフワフワ。ロッドを煽ればすぐ浮き上がるくらいのセッティングが出せました。
これを遠投して超スローに巻いてくるのですが、ハンドル一回転何秒とかではなく、ラインを弛ませた状態で、ラインの重みでこちらに寄ってくる分をリールで巻き取るイメージで引いてみました。
魚は釣れませんでしたが、トビキチが無重力でボトムをフワフワ漂う姿をイメージしながら引くと、集中してデッドスローゲームを楽しむことができました。これを真冬、キーンと張り詰めた空気で、しかもナイトゲームでやることを想像すると確かにドキドキします。
2パターンの使い方をインプレとして試してみました。トビキチの見た目はスイムベイト系のビッグベイトですが、実際の使用感はビッグジグやノーシンカーワームを操作している印象。
これをトレブルフック搭載の多関節ボディで行うことで、アングラーが気づかないバイトやショートバイトも絡め取ってくれるのが最大のメリットになっていると感じました。
トビキチ温泉チューンのやり方
温泉チューンはボンバダ製のスクエアウエイトを用意すると簡単。(一枚の重さが4g。用意できない場合は他のウエイトシールでも可)
温泉チューンのやり方は、リップの裏面にスクエアウエイトを2枚重ねて貼り、ボディ頭部にスクエアウエイトを1枚貼って完了です。
頭部にウエイトを貼ることで、トビキチがボトムで三点倒立し、餌をついばむ魚のような姿を演出できます。
ちなみにボンバタ・テルさんはテールのフックを外して使用されているようです。テール部分のフックを外すことで、より垂直に近い姿勢をキープしやすくなるので、好みで取り外してもOKです。
温泉チューンの動かし方は?
温泉チューンの動かし方は、トビキチを一旦ボトムまで沈めてラバージグのボトムバンピングするようなイメージです。
なるべくアングラー側に寄ってこないようにボトムバンプさせるのがキモ。ベイトが無防備にボトムをついばむ姿を演出します。
見えバスを狙うときは、バスが気づかない所にキャストし、泳いできたベイトがボトムをついばみ始める姿をバスに見せるとバイト率が上がります。
温泉チューンにおすすめのロッドは?
2ozクラスのビッグベイトを扱う釣りなので、H〜XHクラスのロッドがおすすめです。ボンバダシリーズのロッドで言うと、ピメンタ55、パシスタ54がトビキチの温泉チューンに適しているとボンバダ・テルさんが推奨しています。
トビキチはウェイトチューンして使おう!
前述した通り、トビキチはウエイトチューンして使うのがデフォルトな使い方。水温によって微妙に沈み具合が変わるので、現場で微調整してみてください。
別売りのボンバタ製スクエアウエイトは粘着力が強力で、カットしてウエイト調整しやすいのでおすすめです。ハイシーズンなら温泉チューンで、低水温期なら超スローシンキングチューンで試してみてください。
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